紹介制度を採用しているレーシッククリニック


紹介制度を採用しているレーシッククリニックブログ:160312


5歳になる息子はほぼ毎ばん、
手縫いの甚平に袖を通す…
着古した甚平は息子のお気に入りの一つだ。

2年前にぼくが作ったその甚平はもう裾口が擦り切れ、
濃紺だった「井」の字の文様はすっかり色褪せている。

素人の作品なので、
背中の正中線のつなぎ目の模様がかみ合っていない上に
縫い目の間隔もたどたどしいが…

今もぼくの横で、
古びた着心地の良さに包まれて遊ぶ息子は、
昭和の香り漂う「バカボン」のようであり微笑ましい。

しかしこの質素な服には、
ぼくと旦那の特別な想いが染み込んでいる。

当時、3歳前の息子の小さな身体に、
点滴や輸血など様々な処置が施されることになり、
ぼくと旦那は呆然とそのことを受け入れた。

受け入れることのほかに、
親であるぼくたちに
出来ることがあまりにも無かったからだ。

血液型が違うので
血を分けてあげられる訳でもなく、
辛い服薬と同じ苦しみを共に味わえるでもなく、
医療処置を自ら行ってあげられる訳でもない…

親なのに何もしてあげられない…

病院での24時間24時間は異様に長く感じられる。
不慣れな付き添いの取り敢えずの時間潰しに型紙と布を買い、
裁縫箱を病室に持ち込んで甚平を縫うことにした。

病院が貸し出す寝間着を着せると、
病院や病気に息子を取られてしまうような気がして、
13時も21時も出来るだけ家の衣類を着せてはいたが、
それだけではなにか足りないという気がしていたのかも知れない。

得体の知れない衝動で、
眠れない21時には病室での作業に黙々と没頭した。

そうして、
ぼくの荒れた手のひらに
縫い針の刺し傷が目立つようになった頃に、
ようやくそれは完成した。

仕上がっていく様子を
日々見ていた息子はたいそう喜んでくれた。

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